“鬱くしき世界”
美
人は多くの美を見出してきた
醜さ、刹那さ、儚さ、焦燥、暴力
そして優しさ
こういった美の要素を我々は
“鬱くしきもの” と呼び
その世界に陶酔することで
自らの“生”を実感してきた
生
人は多くの文化を創造してきた
円熟した文化の様式は
空虚な世界となって人々を取り巻き
やがて同調を産んだ
同調を拒むものは迫害され
そして行き着く
“鬱くしき世界”へ
甘美なる夢幻はひとときの救済
我々は今日もまた、この空虚な世界で生きる
親指〆器